農村景観百選

「むら」は「むらがる」、「むれる」と同系で人が集まる

というのが語源という説があります。江戸時代には6万あまりあったそうです。

最近は行政単位の「村」のない県が、13あります。

出典:

農村景観百選調査検討会が平成3年度に農村の美しさや快適さを紹介し、活力ある農村風景を保つために「美しい日本のむら景観100選」を選定しましたのでご覧ください。

北海道富良野市(麓郷)

特長:

広大な丘陵地のほ場に作付けされた作物は、それぞれの収穫時期を色彩豊かに表現し、美しい実りの景観を提供している。

北海道東町(東川)

特長:

田植えが終わった新緑の頃、整然とした田園に芝桜が咲き誇り、甘い香りがあたり一面に漂っている。

北海道美瑛町(美瑛)

特長:

町の大部分を丘陵地が占めており、その斜面を利用した畑が「丘の町」と言われる美しい農地景観をつくり出している。

北海道清里町(清里)

特長:

オホーツク海に面した北海道斜網地帯の景観は、整然とした農地と防風樹林帯による豊かな地域生態系を現出させている。

北海道中標津町(北開陽)

特長:

牧草の育成を守る耕地防風林が広大な丘陵地帯に整然と配置され、地平線の彼方には北方領土国後島が神秘的に浮かんでいる。

青森県岩木町(宮地)

特長:

津軽最大といわれる「お山参詣」では、人々が白袋束に身を固め、のぼりや御幣をさがし、お題を唱えながら岩木山神社を目指し、五穀豊穣を祈願する。

青森県尾上村(八幡崎)

特長:

旧家の農家や商家が整然と建ち並び、軒並と白壁の土蔵が家々の庭(つぼ)とマッチし、美しい景観を形成している。

青森県南郷村(泥障作)

特長:

そば畑が果てしなく続く南郷村では、集団的に栽培されたそばを活用した様々な活性化施策を展開している。

岩手県胆沢町(南都田)

特長:

「えぐね」と呼ばれる屋敷林を持つ散居集落で、公園整備、町民参加の町民劇場、剣舞、鹿踊等の伝統芸能の伝承活動のよる安らぎのある町を目指している。

宮城県蔵王町(蔵王)

特長:

初春の蔵王をバックに、県内一の生産を誇り、町民の心の安らぎの一助ともなっている桃、りんごの花が彩りを添えている。

秋田県仁賀保町(伊勢居地)

特長:

清らかな農業用水路を利用し、景観豊かな調和のある町づくりに取り組んでいる。

秋田県尾利町(南由利原)

特長:

「日本一のゆりの里づくり」運動を強力に推進しながら、「自然の鼓動を体感できるふるさとづくり」に取り組んでいる。

秋田県東成瀬村(岩井川)

特長:

優雅に草を食べる牛を眼下に若者達がハングライダーで宙に舞う様は、なんとものどかで、村の活力と明るさが感じられる。

山形県長井市(平野)

特長:

典型的な散居集落であり、季節風をさえぎる屋敷林の中に、茅葺屋根・白壁土蔵や池が今も数多く残り、素晴らしい農村景観を形成している。

山形県南陽市(赤湯)

特長:

白竜湖と周辺に拡がる美田と急斜面に拓いたぶどう園が調和し、みごとな景観を形成している。

山形県金山町(金山)

特長:

「金山杉」を活用した金山型住宅(切妻屋根に白壁)の町並み形成、石積水路の整備等豊かな自然景観と調和した町づくりを進めている。

福島県大玉村(小姓内)

特長:

よく整備された水田で、天日に干される稲がけが整然と並ぶ様は、全国に誇れる「おいしい米の里」の景観である。

福島県新地町(中島)

特長:

昔の農家が偲ばれる茅葺屋根の建物は、田園風景にマッチした文化的史跡である。

福島県鹿島町(南屋形)

特長:

収穫を終えた田んぼの中で、明日を担う子供達が凧揚げに興じている。初春のほほえましく、のどかな農村風景の1コマである。

茨城県水府村(御所内)

特長:

「ソバの花」は純農村独持の景観であり、自然の中に神秘の里を形成している。

群馬県館林市(多々良)

特長:

点在する池や沼などの自然を生かし、釣り桟橋を架けることにより、単調になりがちな市民の日常生活に潤いと変化をもたらしている。

埼玉県本庄市(都島)

特長:

親水機能を持たせた水路と道路を併せて整備し、生け垣などの緑化を奨励することにより、市民のふれあいの場を創出している。

埼玉県久喜市(所久喜)

特長:

限られたスペースを利用した景観整備に限り組んでいる。子供の日にはレンゲ祭りが開催され多くの人たちが農村の1日を楽しんでいる。

埼玉県蓮田市(上平野)

特長:

豊かな田園を潤し、人々に安らぎを与えてくれる元荒川の川辺には、菜の花が咲き乱れ、鳥のさえずりや蜜蜂の羽音が聞こえてくる。

千葉県大多喜町(上原)

特長:

一面ピンク色に染まるレンゲ畑とそよ風に泳ぐ鯉のぼりが風薫る季節感を醸し出し、その中を菜の花色の列車がゆっくり走つている。

東京都青梅市(今寺、藤橋)

特長:

稲とレンゲのコントラストが一年中地域を彩り、地域住民の貴重な財産として憩いの場となっている。

神奈川県相模原市(田名)

特長:

落ち着いた佇まいを見せる石積みの用水路、その清流を泳ぐ鯉、木の香漂う憩いの散策路が美しい景観を形成している。

神奈川県伊勢原市(子易)

特長:

大山街道沿いの「子易カキ」の果実の鮮やかな朱色が、周辺の山々の緑と重なり合いながら絶妙なコントラストを醸し出している。

新潟県岩室村(夏井)

特長:

日本の米所越後平野の名残りとしての「ハザ木」は、四季の移ろいの中で、素晴らしい情景をみせている。

新潟県津南町(結東)

特長:

秋山郷といわれるこの地では、山間地の田の保全と少ない耕地の活用のために祖先が築いた石垣たんぼが歴史を感じさせる。

新潟県高柳町(荻ノ島)

特長:

田の回りをかやぶき曲がり家屋敷が囲み、背後の山林が一体となった環境保全型の農村集落景観である。

富山県平村(相倉)

特長:

合掌造りの家屋集落は訪れる人の共通の財産である。古を守り、原形を留め住人の生活を造り、温みの里を継承している。

石川県小松市(日用)

特長:

杉並木と民家が自然と調和した景観を産み出している。町には「こけの里」があり、日本の伝統的な空間を作り出している。

福井県宮崎村(宮崎)

特長:

公共施設、歩道等は「ワインカラー」に統一され、その中で切妻屋敷と真壁を維持することにより、美しい景観が形成されている。

福井県越前町(梨子ヶ平)

特長:

越前海岸を代表する男性的な海岸線と山の傾斜に咲く水仙の白い花の清楚な姿が見る人の心をなごませてくれる。

山梨県都留市(十日市場)

特長:

紅葉の美しい三ッ峠山と伝説のある大石金の祠と水かけ菜が自然に調和し、美しい景観を形成している。

山梨県上九一村(富士ヶ嶺)

特長:

機械に代表される人の知恵が営農を通して自然を享受している姿がうかがえる。

山梨県忍野村(内野)

特長:

富士山を背景に、一面に拡がるソバの花の白さと空の青さのバランスが美しい景観である。

長野県富士見町(立沢)

特長:

規則正しく整備された大規模ほ場整備が見る者を圧巻くする。

岐阜県加子母村(小郷)

特長:

古くから伊勢神宮、姫路城等の伝統的建築物に使われてきた「東濃桧」の山々の緑と調和したハウス群が美しい景観を形成している。

岐阜県白川村(萩町)

特長:

合掌造りだけでなく、周辺の景観全体が保存指定され、昔ながらの日本故郷の雰囲気をただよわせている。

静岡県富士宮市(西富士)

特長:

雄大な富士山の麓に果てしなく広がる牧草地と放牧された牛がマッチして素晴らしい景観を形成している。

静岡県湖西市(山口)

特長:

農家の脇にたわわに実った稲と綺麗に管理された農道の法面が季節を感じさせる美しい景観である。

静岡県菊川町(富田)

特長:

新緑のお茶の香りの漂う頃、茶摘み作業に精を出す風景が豊かな自然の中で働く人々の温かさを感じさせる。

愛知県安城市(明治用水)

特長:

石積みで造られた小川のせせらぎと緑が調和した美しい景観は、人々の憩いの場として親しまれている。

三重県御浜町(阿田和)

特長:

管理の行き届いた大規模なみかん園が広がる丘陵地と周りの山々の緑が自然の豊かさを感じさせる。

滋賀県五個荘町(金堂)

特長:

金堂集落には、重厚な近江商人屋敷と木々に包まれた神社仏閣、鯉の泳ぐ清らかな水路が調和し、落ちついた潤いのある景観を形成している。

滋賀県甲良町(下之郷)

特長:

住民参画のもとに親水公園を設けるなど、住民ぐるみで人と自然が共存する潤いと安らぎのある快適な農村景観の創造が行われている。

京都府京都市(北嵯峨)

特長:

千年の都である京都の歴史の中で多くの彩りが加えられてきたこの農地は、多くの人々が訪れ素朴な田園風景に親しんでいる。

京都府亀岡市(千歳)

特長

急峻な耕地には石積が施され、用水路や耕作道には「はんのき」と呼ばれる畦畔木が植えられた。それらは、防災や稲藁架けに活かされている。

京都府丹後町(袖志)

特長:

若狭湾国定公園に指定され、風光明媚な海岸緑と白い経ヶ岬灯台、さらに、コバルトブルーの海と岬の緑のコントラストがとても美しい。

大阪府能勢町(大里)

特長:

全町公園化をめざす能勢町では、小麦作の後の遊休田を利用した無料コスモス園を開催し、人々の憩いの場としている。

奈良県明日香村(稲渕)

特長:

収穫前の棚田の畦畔に満開の彼岸花が咲き乱れている。豊富な歴史的遺産を観光資料とした活力ある村づくりに取り組んでいる。

和歌山県桃山町(元)

特長:

桃源郷の田園地帯と広大森林資源とに包まれた美しい町である。

和歌山県かつらぎ町(四郷)

特長:

柿を刺した串をすだれ状に十本つるす串柿は、三種の神器の内「剣」を表す縁起物で、この串柿づくりが色鮮やかな晩秋の風物となっている。

和歌山県清水町(西原)

特長:

山地の隆起と川の下方浸食が創った舌状の台地が江戸時代に開墾され、自然と人の営みの歴史を示すユニークな景観「あらぎ島」となっている。

鳥取県東郷町(東郷池)

特長:

日本一の二十世紀梨の産地東郷町では、桜から一週間遅れで清らかな梨の花が満開となり、温泉が湧出する東郷池とのコントラストが美しい。

鳥取県岸本町(大原千町)

特長:

大山の裾野に広がる大原千町地区は、米子のベットタウンであるとともに、盛んな農業が見せる多彩で、なつかしい故郷の風景が今も残っている。

鳥取県淀江町(高井谷)

特長:

古墳群に囲まれた古代ロマンに溢れた町である。数々の湧水が分布し、生活用水として活用され、農村のもつ古くからの営みと美しさが残っている。

島根県井斐川町(黒目)

特長:

斐伊川に囲まれた斐川平野に屋敷林として点在する築地松の散居集落は、安らぎと潤いのある空間をつくり出している。

岡山県総社市(三須作山)

特長:

吉備路のシンボルとなっている五重塔をバックにした、熱い日差しの中でのイ草の刈り取り作業の風景である。

広島県東広島市(吉川)

特長:

赤瓦、白壁、朱塗りの柱、入り母屋屋根という賀茂台地独自の家屋が、整然とした水田に散在し、独自の集落景観を構成している。

広島県戸河内町(寺領)

特長:

澄み渡った青空、土蔵の白壁、母屋の朱色、そして、この地方特産の祇園坊の干柿の橙色が成すコントラストのある農村景観である。

山口県田布施町(砂田)

特長:

町の中央を貫流する田布施川では、農業への恩恵と町民への安らぎの場として、300本の桜のある河川公園整備が進められている。

山口県平生町(名切)

特長:

大星山中腹の「ひらおハートピアセンター」では、都市と農漁村の交流の場として「ふれあい農園」を設置、有機農法を実践している。

山口県むつみ町(伏馬)

特長:

むつみ村では、健康づくり運動としてヒマワリを全戸栽培しており、豊富な栄養分を含むヒマワリ油を食生活に役立てている。

徳島県日和佐町(赤松)

特長:

住みよく、きれいで環境の良いむらづくりを目指した手づくりのむらづくり運動がスタート、赤松川の清流を守ることにも貢献している。

香川県豊浜町(豊浜)

特長:

江戸時代中期から続く「ちょうさ祭り」は、毎年10月13~15日の3日間、秋の収穫前に、豊作を願って行われる勇壮な祭りである。

愛媛県宇和島市(遊子)

特長:

リアス式海岸沿いの急斜面の段々畑は古代ピラミットを思わせる。この地の生活と歴史を物語る巨大な遺跡である。

愛媛県中山町(栃谷)

特長:

6月初旬、あたりがほんのり暗くなった頃、川のせせらぎが聞こえる中、両岸の草木の中から川面にかけホタルの乱舞が映し出される。

愛媛県中山町(高岡)

特長:

4月中旬、白い帽子をかぶったたばこ畑が山々一面に広がり、農村らしい美しい景観を形成する。

愛媛県内子町(石畳)

特長:

石垣に積み上げられた屋地に見られる瓦屋根の散居集落と段々畑の姿は、四季を彩る農作物とマッチした美観を呈している。

高知県梼原町(神在居)

特長:

当地区の千枚田は、県単事業の活用により保存され、それを生かした交流が展開されている。

福岡県苅田町(等覚寺)

特長:

一千年の時を紡ぐ伝統行事「等覚寺松会」は、福岡県指定文化財に指定され、地域住民に広く親しまれている。

佐賀県東背振村(下石動)

特長:

集落中央に位置する天満宮の樹令500年のクスノキや400年のイチョウの木には、壮厳な雰囲気がただよい、地区民の想いの場となっている。

佐賀県小城町(江里山)

特長:

見おろせば、彼岸花の咲く棚田から遠く有明海までが一望でき、虫、鳥、草、木、雪、花など四季を感じる物が残されている。

佐賀県呼子町(加部島)

特長:

 玄界国定公園に浮かぶ加部島に架けられた農道橋の景観は素晴らしく、かんがい施設として送水管も添架され、農業経営が一変した。

長崎県小浜町(木指)

特長:

急斜面に汗水たらして開かれた棚田には、先人の土地に対する執念と愛着が感じられ、のどかな農村風景の中に整然と横たわっている。

長崎県厳原町(椎根)

特長:

ずっしりと重量感のある古風な石屋根倉庫は、高床式で穀物等が保管されており、昔ながらの景観を伝えている。

熊本県阿蘇町(小野田)

特長:

世界に誇る阿蘇カルデラ内に整然と広がった水田は、四季折々に農作物が美しい農村風景を演出している。

熊本県矢部町(白糸)

特長:

白糸台地をかんがいするための水路橋である。その優れた建築技術と壮麗な容姿は、地域住民が誇りとしている。

大分県緒方町(上自在)

特長:

緒方井路は、先人の英知を讃えるかのごとく家並みをぬいながら人々の生活に潤いのある水辺環境を提供している。

宮崎県国富町(高田原)

特長:

からっ風が吹き抜ける台地に、澄んだ青空と千切り大根の棚が果てしなく続き、自然と調和した農村景観が映し出されている。

宮崎県西郷村(峰)

特長:

峰地区は、緑と水郷の里として、平安時代から約一千年、大切に保存継承されてきた「御田祭」を生かした交流が展開されている。

宮崎県日之影町(戸川)

特長:

「石垣の村」戸川では、畳一枚ほどの巨岩と樹木で作ったコロやテコを利用し、嘉永から安政年間に築かれた石垣を大切に保存している。

鹿児島県喜界町(蒲生)

特長:

毎年台風に見舞われる本地区は、生活の知恵としてサンゴ石による防風垣を造り自然を克服している。

沖縄県伊平屋村(我喜屋)

特長:

本地区は、整然とした農地と自然の形態がマッチした風光明媚で素晴らしい田園風景が保たれている。

沖縄県竹富町(大富)

特長:

大富は、「東洋のアマゾン」といわれてる驚異の自然の中に佇むロマンチックな地区であり、仲間川とマングローブが美しく調和している。

沖縄県竹富町(竹富)

特長:

赤瓦の屋根、家々を囲む石垣、白く整然とした道、緑の木々等、竹富島の集落は、島民が守り育ててきた素朴な芸術である。